うつでは思考力が低下します。
もうこれ以上、頭が働かない、注意力が続かない状態となります。
それは、日常的に使っている脳の部分が、疲弊しきっていることから起こりますので、
その部分を休めることが大切です。
①休むということ
別のことをするということと、別の場所に行くことが効果があります。
大脳生理学的に言えば、右手が疲れたならば、左手を使うと、寝ることよりももっと休まります。
うつの場合、疲れは、頭であって筋肉ではないので、運動するとただ寝るよりももっと頭は休まります。
また、家は仕事に行くために、体を休める場所となっている為、家にいてもどこか仕事のことを思い出して休み切れないことが多いものです。心地よい自然の中に行って、仕事を想起させない環境に身を置くと効果的で、より早く回復します。
②疲れにくくすること
しかし、例えば親が子供に完璧であることを求めるように、「90点取ったら激しくなじられる」など、過度に不安や恐怖を与え続けたような場合、「完全でなければ酷い目に遭う」という思い込みが作られて、間違えることを病的に恐れて勉強や仕事等を頑張る人がいます。
このようなタイプは気を抜くことが下手でとても疲れ切っていることが多く、うつになりやすいといえます。
このようなケースでは、親の与えた不安、恐怖がトラウマとなって残っておりますので、その体験を体から取り除く治療を行うことで、病的な厳しいプレッシャーから開放されて、もっとゆったりとした心地よいペースで生きて行けるようになります。
当院では治療は、ほとんどのケースにおいて薬物療法以外に心理療法を行っております。
我が国においては心理療法は殆ど行われていないのが実情で、安易な抗うつ薬などの薬物療法により、うつが遷延し、自尊心の低下を更にきたしているケースが散見されます。